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第一話

※読む前に、先に注意書きを読む事をお勧めします。






 38歳のバツ1、貿易会社の平社員。


 自分の肩書きなんて、それで十分納まる。


 栗山行久。これが自分の名前だ。バツ1と言うだけあるので、結婚はしたことある。


 12年前、結婚した。俺からのプロポーズだったか。確か、ストレートに「結婚してくれ」と言った。


 元妻の名前は、宮川恵美。1年間付き合って、結婚した。


 その頃の俺の仕事は、小さな会社の社員だった。だが、その会社が潰れ、今の会社に所属した。それが4年前。

 
 その頃から、あまり家に帰れなくなった。妻も、結婚してから2年後に授かった子供も、仕事柄家に帰り難いのは分かっていたはずだが、愛想を尽かされたらしい。


 よくドラマでも聞こえてきそうな台詞「あなたは、仕事と家族とどっちが大切なの」。俺は、家族を養うために仕事をしていると言ったが、あまり聞いてくれなかった。


 そういうことで、2年前に離婚して、今は独り身だ。


 「・・・それでな、この子もついに結婚したんだよ。」


 俺の向かいの席で話しているのは、木原雄斗。今日たまたま仕事の休みが合ったので、駅前の喫茶店で世間話に花を咲かせている。


 「最初から俺はお似合いと思ってたから、うれしかったわ。」


 こいつの職は、テレビ局の結構な位らしい(俺とは大違いだな)。俺の同級生。話の内容でも分かるように、お見合い大好き野郎だ。人をくっ付けるのはプロの癖に、自分は結婚していない。何でも、「俺は縛られたくない」らしい。学生が、カップルを茶化すのとあまり変わらないな。


 そういうわけで、こいつはTV関係の人々のスピーチなどでも出席している。


 「その式でな、俳優のリュウくんも参加しててな・・・。」


 ふうん。あの今が旬の有名人か。


 清水隆一。刑事、探偵、ミステリーモノなどに出演、バラエティやクイズ番組に出る超人気若手俳優だ。ちなみに、「リュウ」とはこいつのあだ名だ。


 俺も、こいつが出ているドラマを見たことがある。詳しくは分からないが、結構な演技力だ。


 「そいつがどうかしたのか?」と俺。


 「今まで結婚式に出席しようなんて言わなかったんだけど、結婚した子と大親友だったから、初めて出たんだよ。」


 「それで?」


 「今まで何で拒否していたんだろう、ってさ。やっぱり、結婚っていいもんだよなあ。」


 次の台詞が見て取れるようだ。


 「だから、お前も再婚しろよ。」


 ほら来た。こいつは俺が離婚してから、事あるごとに結婚を勧める。いい奴なんだが、正直うっとうしい。


 「いや、もういいわ。」


 「そんな事言うなよ。意外と、お前の年でも結婚してる奴はいっぱいいるぞ?」


 「悪いな、なんか疲れたんだ。」


 これは本音だ。


 「いや、絶対に結婚したほうがいいって。」


 こんな会話ばかりだ。うっとうしいが、何か憎めない野郎だ。


 そこで、ふとさっきの会話を思い出した。少し気になることがある。


 「さっき言ってたリュウってさ、」


 「うん?」


 「お前の知り合いなのか?」


 「知り合いというより、顔を知ってるくらいかな。」


 「そいつと会うことってできるか?」


 「ん~、結構難しいな。あの子は忙しいから、滅多に休みがないんだ。」


 「そうか・・・。」


 「どうしたんだ?」


 「実は、会わせたい奴がいるんだ    」 

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